動画を制作するときに、「ナレーションって本当に必要？」と悩むことはありませんか？
ナレーションを入れると、収録の手間やコストがかかる…。
「BGMや字幕だけで十分なんじゃない？」と思う方も多いはずです。

けれど実は、動画の印象を決めるのは“映像そのもの”よりも、「耳」や「目に入る文字」の影響が大きいことをご存じですか？

今回は、動画演出を語るうえで欠かせない、ナレーション・BGM・字幕の3要素について、それぞれの役割や効果的な活用事例をご紹介します。

まず知っておきたい！動画における音声・字幕の役割とは

動画は映像だけでも成立します。
しかし、そこに「音」が加わることで、メッセージの伝わり方は一気に変わります。

たとえば…

・BGMが変わるだけで、同じ映像が感動的にも軽快にもなる。
・字幕が入るだけで、最後まで見てもらえる確率がぐんと上がる。

このように「音」と「文字」は、動画を“ただの映像”から人に伝わる作品へと引き上げる魔法のツールと言えるのです。

動画演出を支える3つの基本要素

ナレーション、BGM、字幕、この3つにはそれぞれ異なる要素があります。

・ナレーション＝ストーリーを語る声（意味や想いを伝える）
・BGM＝空気をつくる音（雰囲気や感情を動かす）
・字幕＝補足する文字（わかりやすさと理解を助ける）

ポイントは、この3つの要素をバランスよく取り入れること。
それだけで動画は安定感を持ち、完成度がワンランク高まります。

視聴者心理に与える影響とデータ

調査によると、字幕付き動画は視聴完了率が平均の2倍以上。さらにナレーションがある動画は「理解度」「記憶定着率」が高い傾向があります。心理学的にも「耳と目、両方からの情報入力」が効果的と言われています。

企業動画でよく使われる演出パターン

実際の企業動画では、こんな組み合わせがよく見られます。

・採用動画：ナレーション＋BGMでメッセージを強調
・商品紹介：字幕で機能をわかりやすく補足
・周年記念：過去映像×感動BGMでストーリー性を演出

シーンや目的に合わせて、最適な「音」と「文字」の組み合わせを選ぶことが、成果の出る動画づくりにつながります。

ナレーションあり動画のメリット・デメリットを徹底比較

ここからは、ファーストトーンの事例とともに、ナレーションあり動画のメリット・デメリットについて解析します。

メッセージを際立たせるナレーション効果

ナレーションは「伝えたい言葉」を逃さず届ける役割を担います。特に専門用語や数字の多い動画では、ナレーションがあることで“視聴者の理解スピード”が格段に上がります。

日本データコントロール様 50周年記念動画

日本データコントロール様の50周年動画では、沿革部分でナレーションを使用しています。歴史を淡々と見せるだけでは、伝わりにくい“積み重ねの重み”を、ナレーションの声がしっかりと支えています。映像と声が組み合わさることで、会社の歩みがよりドラマチックに、そして親しみを持って受け止められる仕上がりになりました。

制作コストや演出リスクの注意点

ただし、ナレーションには費用と演出リスクもあります。

収録にはナレーターの手配やスタジオ利用など一定のコストが発生し、さらに完成した声がイメージと違えば再収録が必要になることもあります。

また、声のトーンや読み方ひとつで印象は大きく変わります。
柔らかい声が「頼りなさ」に繋がってしまったり、力強すぎる声なら「押しつけがましさ」に感じられる場合も。つまり、同じ原稿でも“どう読まれるか”によって、動画全体の印象がプラスにもマイナスにも振れてしまうのです。

だからこそ、事前の打ち合わせで「どんなトーンで」「どんな感情を込めて」伝えるかを制作会社としっかりすり合わせておくことが大切です。ナレーションは諸刃の剣ですが、的確に活用できれば、動画に強力な“伝わる力”を与えてくれます。

成功・失敗から学ぶ導入事例

社会福祉法人一石会様 創立40周年記念動画

一石会様の周年動画では、落ち着きがありながらも温かみのあるナレーションを採用しました。
「一人ひとりに寄り添う」「安全で安心できる介護」というメッセージに自然と寄り添い、視聴者にやさしさと信頼感を伝える仕上がりとなりました。結果として、周年記念という節目にふさわしい、安心感と温もりを感じられる動画に仕上がっています。

一方で、ナレーションを入れずに映像とテロップのみで構成した場合、内容が断片的に伝わってしまうケースもあります。
映像の雰囲気は良くても、「どんな想いでこの活動をしているのか」「どこに感動してほしいのか」が十分に届かず、印象が薄れてしまうことがあるのです。
特に周年や採用など、“理念”や“人の想い”を伝える動画では、ナレーションがその“軸”を支える役割を担います。
映像の持つ臨場感に、声が加わることで、メッセージはより明確に、感情はより深く伝わります。
目的やトーンに合わせてナレーションを取り入れることで、作品の完成度と伝達力が格段に高まります。

BGMと効果音がもたらす印象操作の力

映像は“目”で見る体験ですが、心を動かすスイッチは“耳”が押します。BGMは、映像の意味を決めつけずに感情の方向だけをそっと示す存在。選ぶときは曲の好みから入るのではなく、動画の目的→視聴シーン→伝えたい温度の順に逆算します。

感情を動かすBGM選びの基本

たとえば採用動画。等身大の雰囲気を出したいのに、壮大なオーケストラを当てると“語りすぎ”になります。逆に技術解説でアコースティックが強いと、素朴さが先に立って先進性が弱まる。曲そのものの主張より、映像が言いたいことをどれだけ後押しできるかを基準にしましょう。

ジャンル別おすすめBGM演出

同じ尺でも、ジャンルで伝わり方が大きく変わります。ここでは現場で使いやすい“傾向と相性”だけを押さえます。

カテゴリー	曲調・特徴	使いどころ	印象・狙い
コーポレート／実績紹介	透明感のあるピアノや軽やかな電子音、ゆるやかなテンポ	会社概要、導入事例、企業説明	安心感・信頼感を与える
採用／カルチャー	アコースティックギターやバンドのライトポップ、やや速めのテンポ	社員インタビュー、1日の密着、オフショット	人の温度・親近感を伝える
技術／DX／ロボティクス	ミニマル、エレクトロ、クリックの効いたビート	製品説明、工程紹介、UI・データ可視化	清潔感・先進性・スマートさを演出
ドキュメンタリー／CSR	アンビエント、弦のロングトーン、静けさを保つ構成	現場の空気や温度を伝える場面、感情の余白を表現	しっとりとした情緒、リアルな臨場感
イベント／アタック系	金管楽器や力強いリズム、導入2秒で掴む構成	オープニング、章切り替え、タイトル出し	インパクト・高揚感・勢いを出す

著作権・使用許諾のポイント

映像の“仕上がり”は音で決まり、公開の“可否”はライセンスで決まります。公開直前の差し替えを避けるため、企画段階で「どの媒体で・どれくらいの期間・どの地域で・広告配信はあるか」を先に確定しましょう。
店頭・屋外・展示会再生や有料ブーストは条件が変わりやすいので、契約書に明記しておくと安全です。さらに、尺編集やループといった改変可否、二次利用・期間延長時の費用も事前合意しておくと運用が安定します。万一に備えてトーンの近い代替曲を複数確保しておけば、差し替えが発生しても演出を崩さずに対応できます。

字幕活用でCVが伸びる！SNS時代の必須テク

SNSの利用が日常化したいま、私たちは“いつでも・どこでも”動画を視聴するようになりました。そこで過去以上に重要度が高まっているのが字幕です。字幕は、音が出せない場面でも意味を瞬時に届けることができます。

無音視聴に対応する字幕の重要性

たとえば、通勤中や職場の休憩、学校など。音を出せない環境で動画を見ることは多々あります。だからこそ字幕は、視聴開始のハードルを下げ、離脱を防ぐ最短ルートです。音がなくても要点が“目”に届けば視聴は続き、コンバージョン（CV）にも結びつきます。とりわけSNSや屋外サイネージでは、字幕は演出ではなく表示設計の“基盤”として捉えるのが近道です。

視聴完了率を高める文字デザイン

字幕は“情報”であると同時に、“デザイン”でもあります。
フォントの形や大きさ、表示のスピードや位置ひとつで、視聴体験は大きく変わります。
ポイントは「読み切れる量とリズム」です。

1ショットにつき1メッセージに絞り、全角12〜18文字×2行を目安にすると、読了率が上がります。
行間は狭すぎず広すぎず。読み終わりに0.3秒ほどの余白を残すと、自然な呼吸感が生まれます。

また、強調は“名詞・数値・固有名詞”に限定するのがコツです。
画面全体を文字で埋めるより、「伝える部分だけ光らせる」ほうが印象に残ります。
背景が明るいシーンでは半透明プレートを敷くことで可読性を確保できます。
こうした設計を意識するだけで、“最後まで見てもらえる動画”へと変わります。

要点まとめ

• 字幕は「情報」＋「デザイン」
• 1ショット＝1メッセージ（12〜18文字×2行）
• 行間とリズムに余白（読後0.3秒）
• 強調は名詞・数値・固有名詞のみ
• 明るいシーンでは半透明プレートで可読性を確保する

多言語展開・バリアフリー対応のコツ

字幕は視聴者の理解を助けるだけでなく、動画をより多くの人に“開く”ためのツールでもあります。
海外向けに展開する際は、機械翻訳をそのまま使うのではなく、文化・文脈に合わせたローカライズを。数字や固有名詞の扱いも、国ごとの慣習に合わせて調整します。

また、聴覚障がいのある方に向けては、セリフだけでなく「音の情報（例：拍手・笑い声・BGM変化）」を補足するクローズドキャプション対応も有効です。
一度設計しておけば、社内アーカイブや採用説明会など、後の用途でも再利用が容易になります。
動画の“伝わる力”を最大化するには、言葉や音を整えることが欠かせません。
ナレーション・BGM・字幕…。それぞれの役割を理解し、意図的に組み合わせることで、映像は「見せる」から「伝える」へと進化します。

要点まとめ

• 字幕は理解補助＋拡張ツール
• 海外向けは文脈に合わせたローカライズ
• 数字・固有名詞は国ごとの慣習に合わせて調整
• クローズドキャプションで音情報も補足する
• 設計済み字幕は再利用しやすい

成功事例から学ぶ！演出要素の組み合わせパターン

良い動画は、ナレーション・BGM・字幕のどれか一つが突出しているわけではありません。大切なのは、それぞれの役割が“競わず支え合っている”ことです。

ナレーション×BGM×字幕の黄金比

たとえば、感動系の周年映像なら「静かなピアノBGM × 温かい声 × 最小限の字幕」。
逆に、採用プロモーションなら「テンポのある音楽 × ナレーションなし × メッセージを託した字幕」。
ナレーションが語る言葉を、BGMがそっと後押しし、字幕が視覚的に補完する。
この3つの呼吸が合うと、視聴者の理解と感情が自然とリンクします。 “声・音・文字”のバランス設計が、映像の印象を決定づけます。

採用・周年動画で成果を出した事例

実際に、大阪の動画制作会社ファーストトーンが手がけた映像でも、この“組み合わせの設計”が成果を支えています。

《採用動画のケース》

クラボウ様 会社紹介アニメーション動画

クラボウ様の採用動画では、従来の“説明中心”の企業紹介から一歩踏み出し、「働く人のリアルな姿」「会社が目指す未来」をアニメーション＋ナレーション＋BGMで表現しました。
特に「若手が活躍している職場で、自分らしく成長できる」というメッセージを、テンポよく展開する絵と音で伝えることで、視聴者に「この会社で働きたい」という印象を与えました。
また、アニメーションという表現を活用することで、職場の“雰囲気”や“文化”を視覚的に伝えることに成功し、若手求職者の関心を引きつけることができました。

《周年記念動画のケース》

淀川変圧器株式会社 50周年記念映像

淀川変圧器株式会社様の50周年記念動画では、企業としての“節目”にふさわしく、企業の歩みと未来への意志を伝える構成で設計されました。
映像では、創業から現在までの技術と人のつながりを象徴するカットを丁寧に見せつつ、「挑戦」「成長」「信頼」といったキーワードをナレーションとBGM、字幕でバランスよく演出。特に、冒頭に「50年の歩み」という章立てを設け、技術現場のリアルな映像とナレーターの落ち着いた声を用いることで、“安心と信頼”を視聴者に感じさせる仕上がりになっています。

公開後の社内アンケートでは「企業に対する信頼感が上がった」「働く社員の誇りを感じた」といった声が多数寄せられ、Webサイトや説明会での紹介にも活用されました。第二章以降にも展開しやすい“素材の資産化”も実現し、周年を機にブランドメッセージを一層強化する映像となったのです。

プロが実践する演出プランニング

演出の正解は一つではありません。
しかし、「誰に・何を・どう感じてもらいたいか」という目的を軸にすれば、最適な組み合わせは自然と導かれます。

・目的を定める（例：採用応募・ブランド認知・感謝メッセージ）
・視聴環境を想定する（例：SNS／イベント会場／社内上映）
・要素の優先順位を決める（声で伝えるのか、文字で残すのか、空気で感じさせるのか）

この順で整理すれば、「何を足して・何を引くべきか」が明確になります。
演出の力とは、足し算ではなく設計です。
「ナレーション・BGM・字幕の三要素を“目的のために組み合わせる”こと」。
それが成果を生む動画の共通点です。

自社で制作？それともプロに依頼？判断基準を解説

動画の活用が一般化した今、「自社でつくるべきか」「プロに依頼すべきか」で悩む企業も増えています。
どちらにもメリットと課題があり、目的やリソースによって最適解は変わります。
ここでは、実際の制作現場の視点から、判断のポイントを整理します。

自社制作のメリット・デメリット

社内制作の最大のメリットは、スピードと柔軟さです。思い立ったときに撮影でき、社内の温度感やタイミングを逃さず発信できます。また、予算を抑えられる点も大きな魅力です。

一方で、課題になりやすいのがクオリティと客観性です。
社内だけで完結すると「伝えたいこと」は強くても、「伝わるかどうか」の視点が欠けやすくなります。特に、採用・販促・IRなど成果を求める動画では、映像表現の設計や構成の段階でプロの視点が入るかどうかが結果を左右します。

観点	メリット	デメリット
スピード	思い立った時にすぐ撮影・編集できる	計画不足による完成度のムラが出やすい
柔軟性	社内の雰囲気やタイミングを逃さず発信できる	客観的な視点が欠けやすい
コスト	外注費を抑え、低予算で運用可能	機材・スキル不足による品質低下のリスク
社内理解	自社の想いや文化を深く反映できる	社外の視点が入らず、伝わりづらくなることも
成果面（採用・販促・IRなど）	現場感のあるリアルな発信が可能	プロの構成・演出が入らないと成果に結びつきにくい

プロ依頼時の工程例

大阪の動画制作会社ファーストトーンでは、台本設計・撮影・編集・納品までを一貫体制で対応しています。
複数の業者をまたがずに進行できるため、コストを抑えつつもスピーディに制作できるのが特徴です。
初回の打ち合わせでは、目的・ターゲット・使用媒体・希望納期を共有し、最も効果的な構成と費用バランスを提案します。

見積もり依頼で確認すべきチェック項目

制作会社に見積もりを依頼する際は、金額だけでなく、以下のポイントも確認しておくと安心です。

☑︎撮影回数・日数：想定と合っているか
☑︎修正回数：何回まで費用内で対応可能か
☑︎ナレーション・BGM・字幕：料金に含まれているか
☑︎著作権・二次利用の範囲：SNSや広告利用が可能か
☑︎納期と承認フロー：自社スケジュールに合わせられるか

このチェックを行うだけで、後からのトラブルや想定外の追加費用を防げます。
見積もりは“比較のため”ではなく、“信頼できる制作パートナーを見極めるため”の第一歩。
最終的に重視すべきは、金額よりも「目的を理解してくれるかどうか」です。

まとめと次のステップ：理想の動画制作へ一歩踏み出す

「ナレーション」「BGM」「字幕」
この3つは、動画の印象を決める“演出の軸”です。
どれか一つを際立たせるのではなく、目的・視聴環境・ターゲットに合わせてバランスを設計することが、伝わる映像づくりの第一歩です。

この記事のまとめと演出選びのポイント

・ナレーション： 意味を正確に届けたいとき
・BGM： 感情を動かしたいとき
・字幕： 理解・記憶・視聴完了率を高めたいとき

それぞれの特徴を理解し、目的に応じて組み合わせることで、
動画は“ただの映像”から“人を動かすツール”へと進化します。

成功事例をさらに詳しく知る方法

大阪の動画制作会社ファーストトーンでは、採用・販促・周年・IRなど、目的ごとに最適な演出設計を行っています。実際の事例やメイキング、ナレーション演出の比較などもご紹介可能です。
ホームページにも一部の事例を掲載していますが、サイトには載せきれていない実績や、非公開案件の演出資料も多数ございます。
「自社の課題に近い事例を知りたい」「同業他社の動画制作例を見てみたい」など、具体的なご要望があれば、個別にご紹介いたしますのでお気軽にご相談ください。

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